榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

突然、不幸に襲われても、悲観せずに楽観的に取り組もう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2802)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年12月18日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2802)

季節外れのウスベニアオイ(写真1)が咲いています。

閑話休題、『日本の伸びしろ――悲観を成長に変える思考力』(出口治明著、文春新書)は、日本について、悲観する必要はないと主張しています。

その処方箋は、下記の7つです。
●好きなことを学ぶ高学歴社会に変えよ
●人口減少を止めて国力を戻そう
●働き方を変えて生産性を上げよ
●移民を迎え入れて日本を強くせよ
●女性が生きやすくし経済を成長させよ
●社会保障改革を行え
●選挙に行き政治を変えよ

個人的に、とりわけ強い刺激を受けたのは、突然、脳卒中で倒れ、懸命にリハビリに励んでいる出口治明の思考法です。「僕自身はいたって楽観的でした。身体の不自由さや失語症はいずれよくなると考えていたのです。僕は著書や講演で、何か考えるときは数字・ファクト・ロジックが大切だと語ってきました。この3つで考えれば現実を直視でき、不安や心配に襲われることはありません。・・・しんどいときほど、元気に明るく楽しく取り組む――会社員時代から僕がモットーにしてきたことです。落ち込んだり心配したりは時間のムダ。確実に前進できる、伸びしろはある、と確信したら、あとは自分を信じてとにかくやりきるだけです」。

「僕はもともと悲観的な考え方が嫌いで、何ごとも楽観的に取り組んできました。今回のリハビリも同じです。突然の病気に倒れるのは運命だから、嘆いてもしょうがない。専門家に1年で復職できると言われたたら、信じて頑張るしかない。発想はきわめてシンプルです」。

出口と同世代の私も、いつ、病気で倒れるか分からないが、本書のおかげで、悲観せずに楽観的に取り組めばいいのだ、という覚悟が得られました。