榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

「本」こそが孤独の最高の解決策である・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2822)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月7日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2822)

ジョウビタキの雄(写真1、2)、アオジの雌(写真3~5)をカメラに収めました。ソシンロウバイ(写真6~9)が咲いています。イイギリ(写真10~13)が実を付けています。今宵は満月です。因みに、本日の歩数は11,323でした。

閑話休題、『孤独を生きる――他人に振り回されない生き方とは』(齋藤孝著、PHP新書)で、とりわけ印象に残ったのは、「『本』こそが孤独の最高の解決策である」の章です。

「本と上手につき合うコツ」が3つ挙げられています。
① 著者の生きた時間を「著者とともに共有する」感覚で読む
② 「主人公とともに成長する」つもりで読む
③ 「孤独の十字架」を背負ってもらう

上記の「『孤独の十字架』を背負ってもらう」は、このように説明されています。「物語の主人公が自分に代わってアナザーライフ――自分には歩けなかったもうひとつの人生を生きてくれる、文学のなかにはそんな『魔力』のようなものが備わった作品があると思うのです。そういう作品は『登場人物を自分の分身と捉えて読む』のもひとつの方法。言うなれば自分では背負いきれないほど重い『孤独の十字架』を、登場人物に背負ってもらう、ということです」。そういう作品として、太宰治の『人間失格』と、フョードル・ドストエフスキーの『罪と罰』が挙げられています。

「最大の孤独である『死』をどう受け止めるか」の件(くだり)には、思わず頷いてしまいました。「実際に死んでみれば、その後はどうってことないと思うので、必要以上に死の影に怯えることはありません。死んだときには意識はないのですから、『意識がある自分には、死は訪れない』と考え、もっと鷹揚に構えていればいいのです」。