タンプル塔の牢獄で死んだ少年は、本当にルイ16世とマリー・アントワネットの次男だったのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2869)】
アカハラ(写真1)、シロハラ(写真2、3)、ツグミ(写真4、5)、ジョウビタキの雌(写真6)、羽繕いするダイサギ(写真7)をカメラに収めました。フクジュソウ(写真8)、マンサク(写真9)、サンシュユ(写真10、11)、カワヅザクラ(写真12、13)が咲いています。因みに、本日の歩数は13,497でした。
閑話休題、『運命が変えた世界史(上)――アレクサンドロス大王からナポレオンまで』(フランク・フェラン著、神田順子・田辺希久子・濵田英作訳、原書房)で取り上げられている謎の中で、個人的に、とりわけ興味深いのは、「ルイ17世、心臓問題」です。
1795年6月8日にタンプル塔の牢獄で死んだ少年の事件は、この少年がルイ16世とマリー・アントワネットの次男か否か、また、次男はタンプル塔で死んだのか生き延びたのか、長いこと、熱い論争の的となってきました。
この「謎を科学が一刀両断したのは、2000年4月19日、パリ6区にある医学史博物館で開かれた記者会見においてであった。この日、筆者の同業者であるフィリップ・ドロルムの求めに応じ、息をのんで耳を傾ける聴衆を前にして、ルーヴェン大学のカシマン教授が発言し、フラッシュがたかれるなか、『ルイ17世の検死に参加した医師の一人がこっそりと盗んだ臓器』として自分に託された心臓を遺伝子検査したところ、これが『王妃マリー・アントワネットの親族』の心臓であることは疑いの余地がないとわかった、と述べた。・・・1795年6月10日、検死解剖の最中に、同僚たちの注意がそれたのをいいことに、外科医ペルタンは、タンプル塔に幽閉されて死亡したルイ17世の心臓を自分のポケットにしのばせた。その日の夜、ペルタンはこの心臓をアルコールで満たされた瓶に入れ、自分の書斎でひっそりと保存していた」。
王党派がルイ17世と呼ぶルイ・シャルル・ド・フランスは不衛生極まりない独房で死を迎えたのです。10年と2カ月の生涯でした。