安倍政権の「法令遵守と多数決」による「単純化」は、日本社会にとって深刻な病である・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2989)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年6月23日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2989)
カラーが咲いています。
閑話休題、『「単純化」という病――安倍政治が日本に残したもの』(郷原信郎著、朝日新書)は、安倍晋三支持派の「法令遵守と多数決ですべてが解決する」という論理・手法を厳しく批判しています。返す刀で、「そのような安倍政権に対して、野党の批判・追及は、あまりに『単純』だった。批判を安倍首相本人に集中させて、対立構図に持ち込んで政局化しようとした」と、野党の姿勢も問題視しています。
第二次安倍政権下で進んだ「法令遵守と多数決」による「単純化」は、日本社会にとって深刻な病であることが、詳しく考察されています。
読売新聞による前文科省事務次官(当時)・前川喜平氏に対する個人攻撃にも言及されています。この安倍政権への援護射撃は、「新聞として絶対に許されない重大な問題となる」と糾弾しています。
今一度、安倍政権とは何だったのか考えるとき、不可欠の一冊と言えます。