「正義」に反対する人の意見にも耳を傾けよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3304)】
【読書の森 2024年4月28日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3304)
東京・杉並の上井草~西荻窪を巡る散歩会に参加しました。井草八幡宮(写真1~9)、庚申塔(写真10、11)、西荻六童子(写真12~16)、ガンダム像(写真17)、ケヤキ(写真18)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は19,563でした。
閑話休題、私はマイナ保険証には反対の立場なので、その考えは間違っているよと主張する『「正義」のバブルと日本経済』(藤井彰夫著、日経BP、日本経済新聞出版)を手にしました。
著者は、「正義」の旗を振りかざし「根拠なき熱狂」を煽ることが日本経済に悪影響を及ぼしているというのです。
その実例として、●マイナ保険証問題、●環太平洋経済連携協定(TPP)交渉――を初め、
●地価を下げることこそ正しいという「正義」
●銀行救済に税金投入はけしからんという「正義」
●日本はものづくり国家、額に汗して働けという「正義」
●弱い中小企業は皆救うべきだという「正義」
●堕落した官僚は懲らしめろという「正義」
●金融政策はあらゆる手段をという「正義」
●高齢者は弱者、皆で助けようという「正義」
●人口減少は国家的危機という「正義」
●拙速な改革は避けよという「正義」
――などが考察されています。
「ある時点では『正義』と思われる事象についても、常に批判的にみながら、その『正義』に反対する人の意見にも耳を傾けてみるという態度が必要」という著者の言葉は説得力があります。マイナ保険証問題については、私も、もう一度よく考えてから態度を決めねばと思いました。