「御用メディア」、「御用記者」、「御用キャスター」告発の書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3367)】
【読書の森 2024年6月29日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3367)
オナガ(写真1、2)、巣の周りを飛び回るツバメの雛(写真3、4)、ウチワヤンマ(写真5)、オオシオカラトンボの雄(写真6)、雌(写真7)、コシアキトンボの雄(写真8)、ハグロトンボの雄(写真9)、雌(写真10)、ベニシジミ(写真11)、ダイミョウセセリ(写真12)、キマダラセセリ(写真13、14)、ツチイナゴ(写真15)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,574でした。
閑話休題、『メディアの「罪と罰」――新たなエコシステムをめざして』(松本一弥著、岩波書店)の著者が主張を、私なりに3つに整理してみました。
第1は、権力者にすり寄り、「客観的」であることを装いながら、実際には権力者を擁護する「御用メディア」や「御用記者」、「御用キャスター」に過ぎない輩の告発です。その腐臭を放つ実例が、「安倍政権下で起きたこと」の章にまとめられています。
第2は、メディアには、権力を監視する義務と同時に、「世論の暴走」をチェックする役割も負っていると強調しています。「世論の暴走」とは、例えば、日本の安全保障の脆弱さをことさらに強調する権力側のアジテーションに国民が乗せられてしまう危険性を指しています。
第3は、テレビや新聞は、「市民の側に立つ」メディアに生まれ変わるぞという覚悟を持って真相に迫る報道を展開し、失いかけている「信頼」の再構築を試みながら、「エンゲージメント」の経済的基盤を固めて展望を切り開いていけと檄を飛ばしています。「エンゲージメント」は、視聴者や読者との契約関係を意味しています。
骨のある一冊です。