高校の文化祭での屋上使用の権利を賭けた「地雷グリコ」の勝者は・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3400)】
『魔の山』、『ツァラトゥストラはこう言った』といった作品に挑戦する場合は、翻訳者が誰かということが非常に重要です。そこで、東京駅の丸の内側(写真1~5)にある丸善丸の内本店(写真6~11)で比較検討しました。『百年の孤独』が小山のように積み上げられているのには、圧倒されました。5階・6階はレストラン・フロアになっています。因みに、本日の歩数は11,395でした。
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閑話休題、私はパソコンゲームやモバイルゲームを一度もしたことのないゲーム音痴だが、連作短篇集『地雷グリコ』(青崎有吾著、KADOKAWA)に収められている『地雷グリコ』には引き込まれてしまいました。
都立頬白高校1年4組の女子、射守矢真兎(いもりや・まと)は、文化祭で一番人気の屋上に出店できる権利を獲得すべく、クラス代表として、2年連続勝利を収めてきた生徒会チームの代表、3年生の椚迅人(くぬぎ・はやと)と決勝戦で対戦します。
頬白神社の46段の階段を、ジャンケンのパーかチョキで勝てば6段、グーで勝てば3段上がることができ、頂点まで先に辿り着いたほうが権利を獲得できるというゲームで勝負を争います。ここまではお馴染みの「グリコ」だが、独自ルールとして、予め、各々3つずつ、相手に分からないように選んだ階段に「地雷」を仕掛けることができます。相手が仕掛けた「地雷」を踏むと、審判の指示で10段下がらなければなりません。
「晴天の昼下がり。神聖な神社の入口で。いい年した高校生二人が、叫んだ。『グー、リー、コ!』。真兎はパーを出し、椚先輩はチョキを出していた」。さあ、屋上を賭けた一大勝負の始まりです。
ゲームの特性を頭に入れて、地雷をどの段に置くか、相手の出方を読んでジャンケンは何を出すか、息詰まるような心理戦が展開されます。「『地雷グリコ』は読み合いのゲーム。行動や発言から互いに情報を集め、地雷の場所を察知した者、ジャンケンの手を操作した者が勝つ」。
どんでん返し、また、どんでん返し、さらに、どんでん返し。
果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか。
読者にも戦略思考が要求される作品です。