味わい深い夏目漱石の俳句・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3405)】
【僕らは本z好き読書隊 2024年8月9日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3405)
カワウとカイツブリ(写真1。左がカワウ)、羽を乾かすカワウ(写真2~4)をカメラに収めました。チユウキンレン(学名:ムセラ・ラシオカルパ。写真5)、群生しているタカサゴユリ(写真9~12)、メマツヨイグサ(写真13)が咲いています。チユウキンレンの脇に、羽化して間もないキアゲハ(写真6~8)がいるのに気づきました。
閑話休題、『夏目漱石の百句――漱石の幸福』(井上泰至著、ふらんす堂)で、私の心に響いた句を挙げておきます。
●叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉
●人に言へぬ願の糸の乱れかな
●端然と恋をして居る雛かな
●菫程な小さき人に生れたし
●馬の蠅牛の蠅来る宿屋かな
●病妻の閨(ねや)に灯ともし暮るゝ秋
●安々と海鼠の如き子を生めり
●罪もうれし二人にかゝる朧月
●春を待つ下宿の人や書一巻
●時鳥厠半ばに出かねたり
●秋の蚊の鳴かずなりたる書斎かな
●朝貌や惚れた女も二三日
●ふと揺るゝ蚊帳の釣手や今朝の秋
●有る程の菊抛げ入れよ棺の中
●風に聞け何れか先に散る木の葉
●灯を消せば涼しき星や窓に入る
●秋風や屠られに行く牛の尻
●秋立つや一巻の書の読み残し