室町時代について、こんなに知らなかったことがあったとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3430)】
一昨日の町会の手持ち花火大会に参加した近所の小学4年の女の子から、「雨だったけど、おき花火(=置き花火、噴出花火)や手持ち花火ができて楽しかったです」という手紙が寄せられました。スイフヨウは朝から昼にかけて、花が白色から薄桃色、濃桃色へと変化します(写真1~3)。タマスダレ(写真4、5)が咲いています。クリ(写真6、7)、カボチャ(写真8、9)が実を付けています。モンスズメバチとキオビホオナガスズメバチ(写真10。上がモンスズメバチ)が樹液を吸っています。我が家の庭師(女房)から、コクチナシに青虫が4匹もいると報告あり。ガのオオスカシバの幼虫(写真13、14)が葉を精力的に食べています。
閑話休題、知らなかったことを知ること、できなかったことができるようになること――は、私にとって最高の喜びです。この意味で、室町時代について知らなかったことがいくつも書かれている『室町ワンダーランド――あなたの知らない「もうひとつの日本」』(清水克行著、文藝春秋)は、私にとって最高の一冊となりました。
とりわけ勉強になったのは、●足利義満の軽口、●虎の威を借る賢人、●濃姫伝説――の3つです。
●足利義満の軽口
3代将軍・足利義満が軽口をたたく人物であったこと、軽口を装って相手を追い詰める底意地の悪い人物であったこと――を記した後に、しかし、これは見ようによっては、彼の権力基盤が必ずしも盤石ではなかったことを示しているという鋭い指摘が続きます。
●虎の威を借る賢人
専制君主として恐れられた6代将軍・足利義教のえこ贔屓で出世した正親町三条実雅という中級公家がいたが、彼は当時の人々から嫌われるどころか、案に相違して、すこぶる評判がよかったというのです。なぜかというと、彼が、気紛れな独裁者と人々との間の恰好の緩衝材としての役割を果たしていたからです。その後、義教が赤松満祐に暗殺されたため、膨大な所領を没収されることになるが、実雅は粛々と従ったとのこと。
●濃姫伝説
戦国大名・斎藤道三が政略結婚で娘の濃姫を織田信長に嫁がせる時、信長がどうしようもない阿呆だと分かったら、この短刀で刺し殺せと言ったところ、濃姫が、ひとたび嫁いだ以上、逆に父上を刺すことになるかもしれないと応答したという逸話は広く流布しています。しかし、これは史料には見えない話で、山岡荘八が小説『織田信長』でこの場面を描き、その後、司馬遼太郎が小説『国盗り物語』で同場面を採用したことで、一気に広まったと、著者が喝破しています。