世界初のプログラマーは、6人の若き女性だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3491)】
キタテハ(写真1~5)、交尾中のツマグロヒョウモン(写真6、7。左が雄)、ヤマトシジミ(写真8)をカメラに収めました、イシミカワ(写真9、10)が実を付けています。
閑話休題、『コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー』(キャシー・クレイマン著、羽田昭裕訳、共立出版)を読み終えて感じたことが、3つあります。
第1は、コンピューター誕生期に、ソフト面のプログラミングの進歩に画期的な貢献をした6人の女性プログラマーがいたことに驚いたこと。
1945年から1948年にかけて、苦心を重ね、協力して、ENIAC(世界最初のプログラム可能な汎用電子計算機)のプログラムを開発した6人の20代の女性たち――キャスリーン・マクナルティ、フランシス・ビーラス、フランシス・エリザベス・スナイダー、マーリン・ウェスコフ、ルース・リクターマン、ジーン・ジェニングス。本書は、彼女たちの涙ぐましい奮闘物語です。ENIACは、のちに、世界初の現代的な商用コンピューターとしてUNIVACと名付けられ、全米市場を席巻します。
6人の活躍が、この世にプログラマーという職業を生み出したのです。
第2は、コンピューターのハード面における男性たちの業績の陰に隠れ、歴史的に埋もれていた6人を発掘したのが、ITに造詣の深い女性弁護士であったこと。
「ENIACの白黒写真に写っていた(名前も明らかでない)女性たちは、私の心の中にずっと残っていた。・・・私の『ENIACのプログラム技師』探しが始まった」。著者、キャシー・クレイマンの粘り強い6人探しがなかったならば、6人は永久に歴史の闇に埋没したままだったでしょう。
第3は、6人の存在が明らかになったことが、現在の女性IT従事者たちを力づけていること。
「シアトル国際映画祭で私の(6人を描いた)ドキュメンタリーが上映された際、グーグル、マイクロソフト、アマゾンで働く若い女性たちが涙ぐんでいるのを見て、ENIACの(6人の)プログラム技師の物語が彼女たちを勇気づけていることがわかった」。
最初から最後まで、女性パワーを実感させられました。