泰平の世に現れた江戸の風雲児・蔦屋重三郎の活躍と魅力・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3527)】
【読書の森 2024年12月3日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3527)
東京・文京の小石川後楽園の紅葉・黄葉が見頃を迎えています。因みに、本日の歩数は15,241でした。
閑話休題、『蔦屋重三郎と田沼時代の謎』(安藤優一郎著、PHP新書)は、類書に比して、3つの特色を備えています。
第1は、泰平の世に現れた江戸の風雲児・蔦屋重三郎の活躍と魅力が遺憾なく示されていること。
第2は、重三郎がこれほど活躍できたのは、田沼意次という改革者が力を振るった時代の波に乗ったからだと強調されていること。
第3は、意次失脚後、松平定信が重三郎を警戒した理由が明らかにされていること。
個人的に、とりわけ興味深いのは、重三郎が、当時、ブームになっていた国学の書籍出版にも手を伸ばそうと、伊勢松坂まで本居宣長に会いに行き、出版権を獲得したことです。