著者が名づけた「温泉文学」に関する考察・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3610)】
【読書の森 2025年2月22日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3610)
モズの雄(写真1)、ツグミ(写真2)、カワウ(写真3)をカメラに収めました。ソシンロウバイ(写真4、5)が芳香を放っています。ニホンズイセン(写真6)、ホトケノザ(写真7)が咲いています。因みに、本日の歩数は11,105でした。
閑話休題、『温泉文学史序説――夏目漱石、川端康成、宮沢賢治、モーパッサン』(岡村民夫著、水声社)では、著者が名づけた「温泉文学」に関する考察が展開されています。
個人的に、とりわけ興味深いのは、下記の3点です。
●1906年に夏目漱石が書いた3つの温泉小説――『坊っちゃん』、『草枕』、『二百十日』――をもって本格温泉小説が始まり、この新潮流を川端康成が受け継ぎ発展させた。
●梅毒に感染して苦しんでいたギー・ド・モーパッサンは鉱泉での湯治を盛んに行い、そうした場所を小説や随筆――『温泉にて――ロズヴェール侯爵の日記』、『私の二十五日』、『モン=オリオル』――に描いた。
●梅毒に感染していたフリードリヒ・ニーチェはリゾートのニースに滞在するようになった頃、モーパッサンを愛読していた。