なぜ、メディアはジャニーズ性加害問題を報じなかったのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3654)】
【読書の森 2025年4月5日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3654)
ソメイヨシノ(写真1~3)、イズヨシノ(写真4)、コヒガン(写真5~7)、オオシマザクラ(写真8、9)、ヤエベニオオシマ(写真10、11)、シダレハナモモ(写真12~18)が咲いています。
閑話休題、『報道しないメディア――ジャニーズ性加害問題をめぐって』(喜田村洋一著、岩波ブックレット)は、なぜ、メディアはジャニーズ性加害問題を報じなかったのかを考察しています。
その理由として、3つの仮説が提示されています。
●仮説1=報道したかったが必要な事実が確認できなかったのか?
●仮説2=そもそも報道する価値があるとは思わなかったのか?
仮説2-1=最初に報じたのが週刊誌だったから?
仮説2-1-1=みんなが報道していないから、うちでも報道しない?
仮説2-2=芸能界で起こった出来事だったから?
仮説2-3=少年に対するハラスメントだったから?
●仮説3=報道すると各種の不利益が生じるから、取り上げない?
これらの仮説を綿密に検討した結果、評決が下されています。
●仮説1=成立しえない。
●仮説2=正当化することはできない。
●仮説3=正当化することはできない。
自由な報道を実現するためには、メディアは、横並びの報道、あるいは当局の動きがないと報道しないという体制を改めるべき、探査報道・調査報道をさらに充実させるべきと提言しています。さらに、メディアは、何がニュースであるかを感じる能力を身につけなければならないと忠告しています。