本書のおかげで、私の好きな作家、松本清張と水上勉について、いろいろ学ぶことができた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3882)】
我が家の庭師(女房)から、キク(写真1、2)が咲き始めたわよ、との報告あり。ノイバラ(写真3)、トキワサンザシ(写真4)、タチバナモドキ(写真5)、カキ(写真6)が実を付けています。ヌルデ(写真7)が黄葉しています。ヒドリガモの雄と雌とカルガモ(写真8、手前左がヒドリガモの雄、右が雌)、ヒドリガモの雄と雌(写真9、左が雄。写真10、先頭が雄)、雄(写真11、12)、雌(写真13)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は8,523でした。














閑話休題、『松本清張と水上勉』(藤井淑禎著、筑摩選書)は、松本清張と水上勉の共通点を強調しているが、著者には悪いけど少々牽強付会気味という印象を受けました。
それでは、本書はつまらないのかというと、とんでもない! 私の好きな作家、松本清張と水上勉について、いろいろ学ぶことができました。
●松本清張は、木村毅の『小説研究十六講』から大きな影響を受けた。
●清張は、自身の社会派推理小説と相容れないトリック重視の本格派推理小説の領袖である江戸川乱歩を一連の推理評論で貶めた。
●清張は、純文学の文豪・川端康成の『伊豆の踊子』に『天城越え』という「刺客」を差し向けた。
●清張は、新進気鋭の評論家・江藤淳をモデルにした人物を『砂の器』の中で犯人候補に仕立てた。
●映画『砂の器』(野村芳太郎監督、橋本忍・山田洋次脚本、丹波哲郎・加藤剛・加藤嘉出演)は、小説『砂の器』の構造的欠陥を完璧に補修することに成功した。
●水上勉は、清張の『点と線』の影響を受けてイメージ・チェンジし、『霧と影』という推理小説を書いた。
●水上の晩年の傑作『才市(さいち)』は、字もろくに知らない一人の貧しい下駄職人が、木を削った後のカンナ屑に平仮名ばかりの詩まがいのものを書きつけていたことに共感して書かれた評伝である。
