生成AI時代に、人間がAIに取って代わられないために必要な「構想力」、「発想力」の土台となる「思考力」を鍛える方法とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3894)】
我が家の隣の公園のイチョウ(写真1~5)が黄葉しています。我が家のハナミズキ(写真6)は、ほとんどの葉が落下してしまいました。因みに、本日の歩数は8,566でした。







閑話休題、『RTOCS(アールトックス)――他人の立場に立つ発想術』(大前研一著、小学館)で、大前研一はRTOCS(リアルタイム・オンライン・ケーススタディ)による思考力の強化を提唱しています。
●2022年に「チャットGPT」が公開されて以来、すでにAIは社会に劇的な変化をもたらしている。たとえば、アメリカ経済を牽引している「マグニフィセント・セヴン」――GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)にエヌビディアとテスラを加えた7社――をはじめとする大手テック業界では、AI開発への投資を拡大するための効率化に伴う大規模リストラが加速している。
●検索だけでなく、ビジネス分野では「AIエージェント」が登場し、さらに「エージェント型AI」の開発も進んでいる。前者は人間の意思決定を模倣して問題をリアルタイムで解決するために自律的にタスクを実行し、資料作成やプログラミング、商品開発などさまざまな仕事をAIがこなす。後者は複数の専門的なAIエージェントで構成され、高度で複雑な目標を達成するために必要なAIエージェントを連携させてタスクを遂行する。つまり、エージェント型AIは一つの「プロジェクトチーム」や「事業部」のようなものなのだ、
●人間がAIに取って代わられないための条件は「0から1」を創造できるかどうか=「構想力」、「発想力」なのである。「構想力」、「発想力」の土台となるのは「思考力」だ。
●「思考力」を鍛えるためのトレーニングが「RTOCS」である。ビジネスに限らず、政治や社会的な課題についても「もし私が○○だったら?」と問うことによって、「思考力」が磨かれていくのだ。すなわち、他人の立場に立つ発想法である。
●会社員なら「2階級上」の立場で考えよ。【企業で長年働いた私の経験から、この思考訓練は非常に有効と確信しています】。
本書の後半は、▶もし私が「対米関税交渉」を任されたら、▶もし私が「日産自動車」の再建を依頼されたら、▶もし私が「日本銀行総裁」だったら、▶もし私が「デジタル担当相」だったら――などのケーススタディに充てられています。そのいずれも、勉強になるが、「もし『ウクライナ大統領』になったら」だけは著者の見解に賛同できません。あまりに現実主義的、かつプーチン寄りの停戦・和平案だからです。
