榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

明るい超高齢社会を具体的に提示した希望の書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(883)】

【amazon 『超高齢社会2.0』 カスタマーレビュー 2017年9月16日】 情熱的読書人間のないしょ話(883)

散策中に、ペンタス・ギャラクシー・パープルスターがさまざまな色合いの花を咲かせているのを見かけました。因みに、本日の歩数は10,032でした。

閑話休題、『超高齢社会2.0――クラウド時代の働き方革命』(檜山敦著、平凡社新書)は、シニア(高齢者)を力強く励まし、希望を与えてくれる一冊です。

「シニア就労のススメ」、「シニアの日常とICT」、「モザイク型就労――ICTでシニア労働力を活かす」、「高齢者クラウドの実用化」、「未来へ向けて」という章のタイトルからも分かるように、日進月歩のICT(情報通信技術)を活用しての、シニアが活躍できる環境作り、シニアが社会との繋がりを維持できるシステム作りが考察されています。

「ICTは日々着実に進化しています。新しいICTやサービスをシニア層が使いこなせるようになると、自身の健康に気を遣いながら、能力を活かしながら、時間や場所に縛られずに無理なく社会の中で活躍できるようになります」。

「ICTの活用は、シニア層の心身の健康に寄与するばかりではなく、リタイア後の人生をより豊かなものにしてくれるでしょう。さらに、最先端のICTは、シニアの活力を社会に還元する場をつくり出すことができます。本書では、最先端の技術を紹介しながら、そんな明るい未来を描いていきたいと思います。ICTは、超高齢社会を明るくする大事なカギなのです」。

「ICTの使い方を身につけることがスマートシニアになる一番の近道です」。「シニアがICTを使いこなせるようになることは、健康面、生活面、そして経済面での自立につながります。日常の健康管理や、記憶支援、買い物、離れた家族・友人とのコミュニケーション、そして仕事など、個人でできることや社会とのつながりの幅が大きく広がるのです。さらにスマートシニアとして活躍することで、超高齢社会そのものを元気づける存在に成長できる可能性も秘めています。まずは頭の体操の一つとして、少しずつICTに興味を持って生活に取り入れていただければと思います」。

「個人のスキルをインターネットに出品するサービスとして、株式会社ココナラが運営する『ココナラ』というサービスがあります。ココナラに登録すると、個人のスキルをワンコイン、すなわち500円から出品することができます」。クラウドソーシングを応用した「ココナラ」に私も参加してみたくなりました。

超高齢社会の暗い面ばかりが強調されがちな昨今の風潮に敢然と立ち向かい、明るい未来像を具体的に提示している本書は、一人でも多くの高齢者、高齢者予備軍、そして若い世代の人たちに手に取ってもらいたい希望の書です。