「かわいい」をキーワードにルネサンスの絵画を見直してみたら･･･【情熱的読書人間のないしょ話（370）】

散策中に、鮮やかな橙色をした羽化直後のヨコヅナサシガメを見つけました。ソメイヨシノの幹には成虫もたくさんいます。ナナホシテントウの幼虫がアブラムシを食べています。その側にナナホシテントウの成虫もいました。アゲハチョウは、よく見ると青い紋が美しいことに気がつきます。キタキチョウも飛び交っています。フジ棚の下は香りが充満しています。白色のクルメツツジも頑張っています。我が家ではクサギカメムシが見つかりました。因みに、本日の歩数は11,427でした。

閑話休題、『かわいいルネサンス』（池上英洋著、東京美術）は、「かわいい」をキーワードにルネサンスの絵画等を見直してみようというユニークな図説です。

マントヴァのドゥカーレ宮殿のアンドレア・マンテーニャの「『結婚の間』のだまし絵天井」は、天井に描かれた丸窓からやんちゃな天使たちが見下ろしている構図の騙し絵です。「実はこの天井画の下はマントヴァ侯夫妻の寝室なの♡」、「落ちそうで落ちない。ハラハラするね」といった天使たちの声が聞こえてきそうです。

ピアチェンツァのサン・シスト聖堂に飾られたラファエッロ・サンツィオの「システィーナ（サン・シスト）の聖母」は、中央に幼いイエスを抱いた聖母マリアが位置し、最下段の画枠に頬杖をついた恰好で描かれた二人の天使が退屈顔でマリアを見上げています。「ここでずっと上を見てるんだけどね」、「マリア様は気づいてくれないんだ」と語り合っているかのようです。

本書には多くの聖母が登場しますが、個人的には、サンドロ・ボッティチェッリの「書物の聖母」に描かれた憂い顔のマリアが一番気に入りました。このように素敵な女性に出会ったら、我を失ってしまいそうです。

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