「内向型MR」と「転職」と「デスクワーク」と・・・【MRのための読書論(48)】
悩んでいるMR
内向型のため悩んでいるMR、転職するか否かで悩んでいるMR、机上やデスク周りがグチャグチャなため悩んでいるMR――に、ぜひとも薦めたい本がある。
内向型営業パースンの仕事術
『内向型営業マンの売り方にはコツがある――ムリに自分を変えないほうがうまくいく!』(渡瀬謙著、大和出版)は、「自分は内向型人間なので、営業に向かない」と思い込んでいるMRにとって救いの書となることだろう。
極度の口下手、人見知り、あがり症の著者が、営業の強者揃いのリクルートで全国トップの成績を上げた体験を基に編み出した営業の具体的な方法が述べられている。営業ステップを①アポ取り=マーケティング→②訪問=リサーチ前半→③ヒアリング=リサーチ後半→④商品説明=プレゼンテーション→⑤クロージング=セールス――に細分化し、①~④の段階では営業(セールス)を一切意識するな、⑤の段階で初めて営業を行えというのだ。こう考えるだけで、内向型営業パースンは随分と気持ちが楽になり、ストレスが激減するだろう。
クロージングが苦手というMRには、①ドクターの「使わない理由」に先ず同意する→②ドクターの意見に反論するのではなく視点を変える(本質を伝える)→③その本質の裏付けをする(資料などを使う)→④さらに事例を見せる(成功イメージを与える)→⑤最後はドクターに決めてもらう――という必勝パターンが役に立つだろう。その際、標的ドクターの「使わない理由」を想定し、それを解決する手立てを時間をかけて事前に準備しておくことが最重要ポイントとなる。
人間成長の転職術
『仕事を大切に、転職は慎重に。――自分の仕事を見つめ直す42のスタイル』(越智通勝著、幻冬舎メディアコンサルティング)は、転職サイト会社の経営者が「簡単に転職する人間は成功しない」と警鐘を鳴らすユニークな書である。
「人間関係の悩みは転職して解決できるとは限らない。そのたびに転職していたら、いつまで経っても落ち着くことができない」、「納得できない人事異動は成長へのチャンスかもしれない。最終的に成功しているのは、何度かの失敗を経験し、強さを身につけてきた人たちなのだ」、「会社や仲間を裏切る転職をすれば、将来、必ず仕事に裏切られる。前の職場に迷惑をかける転職をして、成功した人の例を知らない」と、安易な転職には手厳しいが、その半面、人間成長のヒントがいっぱい詰まっている。
目から鱗が落ちるデスクワーク術
『最強のデスクワーク術――もっと仕事をラクにしたい人のための』(オダギリ展子著、PHPビジネス新書)は、著者自身が特許事務や貿易事務を通じて身につけてきた事務効率化の実践的なノウハウ集である。
●作業中の書類を作業段階別に保管し、机上や書類だけでなく、頭の中もすっきりさせるデスク周り整理術――ボックスファイルを3つ用意し、机上に手前から作業段階順に①②③と並べる→見易いように案件名を最上部に記載した書類をクリアホルダーに入れ、ボックスファイルに立てて保管する→それぞれの案件の作業の進行に合わせて、①から②、②から③へと移していく。
●書類を留めた針の裏側が平らになるように工夫されたステープラー(ホチキス)などの文具活用術――「フラットクリンチタイプ」と呼ばれるステープラーを使用すると、留めた書類を重ねたときの厚さを25%減らすことが可能となる。このことから、書類を綴じ込むファイルの数、新しいファイルを作成する手間と時間、ファイルの保管場所の3つを節約することができる。また、40枚の厚い書類でも片手で留めることができる小型ステープラーが開発・販売されている(マックス株式会社)。
●使いたい保存ファイルがすぐに見つかるパソコン活用術――書類を「大」フォルダ→その中の「中」フォルダ→その中の「小」フォルダ→ファイルと分類した上で、書類作成年月日と分かり易い的確なタイトルを付けて保存する。
また、『フォーマット書類術――図解 仕事のムダが9割なくなる!』(オダギリ展子著、青春出版社)も、目から鱗が落ちるノウハウの宝庫である。
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