100歳を超えて、今なお前向きな言葉に励まされた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(499)】
【amazon 『人生は一本の線』 カスタマーレビュー 2016年8月24日】
情熱的読書人間のないしょ話(499)
隣家の垣根で咲いているアサガオはちょっと変わっています。真っ白なもの、青がほんの少し交じったもの、一部が青いもの、全体が青いものと、実にヴァラエティに富んでいます。
閑話休題、『人生は一本の線』(篠田桃紅著、幻冬舎)は、100歳を超えて矍鑠と活躍している墨絵画家のエッセイ集です。
「やり残し」は、こう綴られています。「一生を振り返って、自分の思うことがみんなやれたかと聞いたら、やり残したことのほうが、ずっと多い。たいていの人は、なにもやれてないですよ」。
「未完成」は、こんなふうです。「少しは自分というものを客観視すると、自分はだめだなあと思うところがいっぱいあるから、生きているかぎり、私は未完成。まだまだ磨けば、こういうことだって、ああいうことだって、できるかもしれないということがあるから」。
「手探り」に、「老いるということは、大自然の運びですから、どうすることもできない。確実に少しずつ、衰えている。自然に逆らわずに、上手に手なずけながらいくのが、最上のかたちでしょうね。手探りで、しっかりと、老いをつかみながら、生きていきたい」とあるように、この年齢にも拘わらず前向きです。
私も老境に差し掛かっていますが、人生の大先輩の言葉に大いに励まされました。