どう生きるか、どう死を迎えるか――橋田壽賀子はこう考えている・・・【情熱的読書人間のないしょ話(610)】
散策中、妙に騒がしいと思ったら、カキの実に野鳥たちが群がっているではありませんか。メジロ、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリたちが入れ替わり立ち替わり訪れ、もう大混雑です。小学校での読み聞かせヴォランティアで、「びんぼう神とふくの神」を読みました。夕焼けで空が橙色に染まっています。因みに、本日の歩数は10,194でした。
閑話休題、橋田壽賀子という人は、彼女の脚本によるテレビ・ドラマとは異なり、実生活ではなかなか賢明な生き方をしているなあというのが、私の率直な感想です。
『私の人生に老後はない。――今日一日を満足して生きるコツ』(橋田壽賀子著、海竜社)は、どう生きるか、どう死を迎えるか、自分なりの覚悟を決める手助けをしてくれます。
第二の人生をより実りある豊かな日々にする秘訣が挙げられています。①健康、②金銭的基盤、③人間関係、④生きがいになる仕事(仕事でもヴォランティアでも趣味でも)、⑤好奇心――の5つです。
夫婦がいい関係でいるための秘訣は、この3つです。①相手を責めない、②相手を束縛しない、③相手を思いやる。夫婦については、「ケンカができる夫婦は活力にあふれている――ケンカをするのは、互いに関心を持ち合っているという証拠。仲がいいからケンカになるのです」とも言っています。「究極の愛は先に逝かないこと」は、私も同感です。しかし、夫婦には必ず別れが訪れます。「そんなとき、遺された者はしょんぼりなんてしていたらダメ。相手の分まで生きるつもりで頑張らなくちゃ。伴侶もそれを望んでいるはずです」。
「美人の苦労」では、著者の本音が露わになっています。「私が羨ましかった美人たちは、ありあまる才能を持ちながら、男性に溺れてしまったり、早くから男性に目をつけられて、才能を育てる暇もなく家庭に入って埋もれてしまったり。あるいは、自分の魅力への自信過剰で、それだけを売りものにしながら高望みしすぎて、仕事も結婚も中途半端になったまま年を取ってしまったり・・・。あまり幸せな人を見かけない」。
「わが家のごはんがいちばん!」には、思わず頷いてしまいました。