子育てに必死だった母親体験が生かされた絵本ガイドブック・・・【情熱的読書人間のないしょ話(662)】
読み聞かせ講座を受講しました。講義、グループ演習、受講生の実演の後の、実演に対する講師の講評は、子供たちへの思いが籠もっていて大変勉強になりました。読み聞かせの奥の深さを痛感しました。夕焼け、そして夜空を見ながら、帰途に就きました。因みに、本日の歩数は10,060でした。
『ママの心に寄りそう絵本たち』(磯崎園子著、自由国民社)は、子育てに必死だった著者の母親体験を踏まえて書かれています。
「実際にママになってみると、ね。この絵本っていうのが思ったよりずっと気さくで親しげだってことに気が付くのです。息子の成長に合わせて控えめに、でも上手に相手をしてくれるのです。時には笑わせてくれたり、優しい言葉で親子の心をまるごと包み込んでくれたり。なんでもない日常が楽しいイベントになっちゃうことだってあります。初めてだらけでキュッと縮こまっていた私の心もいつのまにかほぐされていたりして、なんて頼りがいのある相棒なのでしょう」。
多くの絵本が紹介されていますが、読み聞かせヴォランティアをしている私には、とりわけ、3冊が心に残りました。
1冊目は、「なつのいちにち」(はたこうしろう作、偕成社)です。「暑い暑い夏の日。子どもの頃に体感したあの記憶の断片が蘇ってくるこの絵本。真っ白な陽射し、青い草の匂い、響き渡るセミの声。広い青空の下に駆け回るこの開放感は、体験した者にしか味わえない感覚ですよね。息子にも、『夢中になって遊ぶ』事でこんな記憶の残像を一つでも多く体の中に残して欲しい、心からそう思わせてくれる一冊です」。
2冊目は、『ようちえんいやや』(長谷川義史作・絵、童心社)です。「『ようちえんいくのいやや、いやや、いややー』。たけしくんが、まなちゃんが、つばさくんが、朝から全身で『いややー!』。よくある光景、とひとくくりにしてしまうのは簡単だけど、どうやらみんな、それぞれ立派な理由があるみたい。でもね、本当は・・・? 作者長谷川義史さんから園児たちへの応援歌です。親子で元気をもらって、いってらっしゃーい!」。
3冊目は、『その気になった!』(五味太郎作、絵本館)です。「強そうな装備をして、刀を持ってみたら・・・『その気になった!』。ユニフォームを着てバットを持って、こんな感じでビシッと決めたら・・・『その気になった!』。あ、これはまるで息子です。子どもたちは意外と『かたち』から入っていくものです。だから私だって真似して『その気になって』みれば、気持ちも高まっていくかもしれませんよね」。ママだって、やる気が出ちゃうかもしれない絵本です。