この期間が私に与えてくれた幸福は筆にも口にも尽くせぬほど大きなものでした。・・・【ことばのオアシス(43)】
【薬事日報 2010年8月20日号】
ことばのオアシス(43)
この期間が私に与えてくれた幸福は筆にも口にも尽くせぬほど大きなものでした。私はあらゆる雑用から解放され、学問に全身全霊を打ち込むことができました。未知の事柄を学ぶたびに喜びが胸に溢れる思いでした。
――マリー・キュリー
マリー・キュリーが、屋根裏部屋で学んだ若き日々について、『自伝』でこのように語っている。さらに、「友だちもないまま、パリという大都会の片隅にひっそりと暮らしていたわけですが、頼りにする人も援助してくれる人もないことを悲しく思ったことはただの一度もありません。時に孤独の思いにふけることはあっても、私の日常的気分は、安らかな安息、それに完全な道徳的満足のそれでした」と続く。彼女のものを学ぶ喜びがストレートに伝わってくる。
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