亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起こるのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが・・・【ことばのオアシス(70)】
【薬事日報 2011年6月24日号】
ことばのオアシス(70)
亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起るのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起るのだ。
――塩野七生
一千年に亘るローマ帝国の興亡を描いた塩野七生(ななみ)の大作『ローマ人の物語』の掉尾に置かれた「『ローマ人の物語』を書き終えて」の一節。塩野の透徹した史観に基づく人間観察は鋭く、興味深い。
塩野著の『ルネサンスの女たち』の『イザベッラ・デステ』には、こういう一文がある――マントヴァ大使は次のような手紙を(本国の)イザベッラに送った。「(法王の)レオーネ十世は、キツネのように権力をにぎり、ライオンのように治め、イヌのように死んだ」と。
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