榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

フィールドで出会う可能性のある哺乳類の生態図鑑+観察ガイドブック・・・【情熱的読書人間のないしょ話(710)】

【amazon 『フィールドで出会う哺乳動物観察ガイド』 カスタマーレビュー 2017年3月29日】 情熱的読書人間のないしょ話(710)

我が家から歩いて20分ほどの千葉県柏市の柏の葉公園のソメイヨシノはちらほらと咲き始めています。薄桃色のコヒガン、濃桃色のヨウコウ、白色のオオシマザクラ、薄桃色のオオカンザクラ、濃桃色のヨコハマヒザクラは満開です。一方、盛りが過ぎた薄桃色のツバキカンザクラ、薄桃色のシュゼンジカンザクラはほんの何輪かしか花を付けていません。因みに、本日の歩数は11,375でした。

閑話休題、『フィールドで出会う哺乳動物観察ガイド――生態写真でわかる探し方や見わけ方のポイント』(山口喜盛著、誠文堂新光社)では、フィールドで出会う可能性のあるほとんどの哺乳動物(クジラ・イルカ類、ジュゴンを除く)が生態写真で紹介されています。見分け方や観察のポイント、動物たちが残したフィールドサインについても解説されています。

アズマモグラのフィールドサインであるモグラ塚は散策中によく目にします。「モグラ塚は、地中にトンネルを掘ったときに、処理できない土を地上に押し上げた跡。地中深いところで活動する冬期によく見られる」。

モグラの勢力争いについて、興味深いことが記されています。「西日本に分布するコウベモグラと東日本に分布するアズマモグラは、勢力争いの真っただ中にいる。先に日本に広く分布していたのはアズマモグラだが、大型で体力のあるコウベモグラが後からやって来て、アズマモグラを駆逐しながら西から東進を続けている。現在は本州中部の山岳地帯に至っているが、硬直状態だ。今後もコウベモグラは全国制覇に向かってさらに東進、北上していくと考えられている」。

我が家の近くで夕方、ヒラヒラと空を舞うアブラコウモリをしばしば見かけます。「生息環境=市街地周辺に生息する。人家から離れた山地には棲んでおらず、森林内に入ることはほとんどない」。「生態=日が落ちて薄暗くなるとねぐらから出てきて、開けたところを飛び回り飛翔昆虫を捕食する。・・・晩秋からねぐらで冬眠し、春になり暖かくなってくると活動を開始する。冬季でも暖かい日は活動することがある」。

山梨の西沢渓谷の林道で、休んでいたヤマネが接近した私に驚いて、つつつと走り去るところを目撃し、感激したことを鮮明に覚えています。「昼間は森の中の様々な場所で休んでいる」。

カヤネズミの巣が見つかり、カメラに収めました。「生態=ススキやチガヤ、ヨシなど細長い葉を縦に裂いて、茎上に直径10cmほどの球形の巣を作る」。

我が家からそう遠くない藪の近くで、走り去るニホンノウサギを見たことがあります。あちこちで糞をよく見かけます。「生態=巣は作らず、昼間は藪の中や窪地、木の眼元や倒木の下の凹みなどで身を隠している」。夜行性ですが、昼間、活動することもあると書かれています。

夏、山梨の小岩が多い山間部を歩いていた時、オコジョが私たち夫婦の周囲のあちこちに何度も姿を現し、オコジョから見詰められるという経験をしたことがあります。しかも、5mぐらいしか離れていない近さでのことでした。「生態=動きは素早く、あっという間に岩の隙間に入ってしまうが、好奇心が強いのか、人に近づいてきて、周りをうろちょろとすることもある」。

出勤のため最寄り駅へ向かう途中で、道端の叢にうずくまっているニホンアナグマを発見したことがあります。デジカメを携行していなかったので、携帯で写真を撮りました。「生態=夜行性だが昼間も活動することがある」。

夜間、ハクビシンが隣家のビワの木に登り、熱心に実を食べていたことがあります。

動物好きには堪らない、ワクワクする一冊です。