榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

歩くと病気が治り、頭がよくなるというのは、本当か・・・【情熱的読書人間のないしょ話(855)】

【amazon 『病気の9割は歩くだけで治る!』 カスタマーレビュー 2017年8月21日】 情熱的読書人間のないしょ話(855)

「珍しいカブトムシ&クワガタ展」で、外国産のヘラクレスオオカブト、コーカサスオオカブト、ヒルスシロカブト、アクティオンゾウカブト、ワガンデンシスツノカナブンを間近で観察することができました。ヘラクレスオオカブトが頭角を上下に動かしています。会場にヒアリの注意書きが貼られています。因みに、本日の歩数は13,132でした。

閑話休題、『病気の9割は歩くだけで治る!――簡単、無料で医者いらず 歩行が人生を変える29の理由』(長尾和宏著、山と溪谷社)は、健康のために歩こうと呼びかけています。

私は毎日10,000歩以上歩くことを心がけていますので、歩くことの効用をドクターがどう意味づけているのか興味を抱いたのです。著者が、旧知の松澤佑次先生の大阪大学医学部時代の教え子ということも本書を手にした理由です。

「歩くことで筋肉や骨が丈夫になれば、年を取ってから膝が痛い、腰が痛いといったことも少なくなります。認知症だって、歩くことで防げますし、たとえボケが始まっても歩けば良くなります。2人に1人がかかり、国民病といわれるがんも、歩くことが予防・治療になります。喘息や膠原病、脳過敏症といった免疫系の病気も歩くことで良くなります。不眠やうつも、精神科に行って薬をもらわなくても、歩けば良くなります。介護が必要になりつつある『要支援』の人も、歩けば、要支援を卒業できます」。本書のおかげで、「脳過敏症候群」という新しい概念が生まれていることを知りました。

「歩くと『幸せホルモン』であるセロトニンが脳内でたくさん出ることがわかっています。歩くことは、実は幸せそのもの。誰もが簡単にハッピーになれる方法なのです」。この幸せな気分は、私も散策時、いつも実感しています。

興味深いことに言及されています。「江戸時代の人たちは、今の人たちよりも6倍くらい歩いていたそうです。・・・明治や大正時代の人たちもやっぱりよく歩いていて、当時のサラリーマンは、江戸時代の庶民と同じくらい歩いていたといわれています」。江戸時代の庶民は1日30,000歩歩いていたそうです。

「動かない動物ほどがんになるということは、はっきりしていて、常に動き回っている野生の動物はほとんどがんになりません。人間も同じで、アフリカの未開の地に暮らす民族など、日の出とともに起きて日が暮れるとともに寝て、よく歩く生活をしている人たちには、がんという病気はありません」。

後半では、「健康になる歩き方」が丁寧に解説されています。例えば、「川柳ウォーキングのススメ」には、こういう一節があります。「そもそも歩くと新しいアイデアが湧くように、川柳もどんどん湧いてきます。作家さんも、作品のタイトルやストーリーを考えるときに歩くという人は多いそうです。京都にある有名な『哲学の道』は、哲学者の西田幾多郎らが歩きながら思索にふけっていたことから、その名がついたといわれています。ドイツの哲学者ハイデッガーも、山小屋で生活をしていて、山を散策しながら思索の日々を過ごしていたそうです」。私の場合は、散策しながら、季節の移り変わりをデジカメに収めるようにしています。

著者は、「歩くと頭が劇的に良くなる理由」として、2つを挙げています。「①歩けば血流が良くなり、脳内の酸素も増える。だから、頭の回転が速くなる。②歩けば、脳が刺激され、神経細胞が増えてネットワークも活性化する。だから頭が良くなる」。

あなたも、騙されたと思って、より多く歩くことを始めてみませんか。