恐竜大躍進の原動力は「羽毛」だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1642)】
冷たい水を口に含むと、左奥上部に齲歯(虫歯)とは異なる疼痛を感じる状態が1カ月続いたため、我慢ができず、千葉・流山の「ほんだ歯科医院おおたかの森」を受診したところ、譽田徹先生から象牙質知覚過敏と思われるので、暫く、サンスターの歯磨き剤「G・U・M Pro’s デンタルジェル センシティブ」を試してみてはと勧められました。使用開始直後から症状の改善が見られ、20日目には疼痛が消失しました。本剤の含有成分の硝酸カリウムが歯髄神経への刺激伝達を阻害し、象牙質知覚過敏の症状を改善したものと思われます。なお、永田俊彦らの文献「硝酸カリウム配合歯磨剤による象牙質知覚過敏抑制効果」でも、その効果が二重盲検法で確認されています。私の場合は、幸いにして疼痛消失という著効が得られたが、再石灰化を促進する成分は硝酸カリウムしかないので、予防の意味も込めて、今後とも本剤の使用を続けます。因みに、本日の歩数は10,044でした。
閑話休題、『NHKスペシャル 恐竜超世界』(NHKスペシャル「恐竜超世界」制作班・植田和貴・松舟由祐編著、小林快次・小西卓哉監修、日経ナショナル ジオグラフィック社)では、超高精細な画像で恐竜たちが再現されているが、最も注目すべきは、謎の巨大植物食恐竜デイノケイルスの解明と、羽毛が恐竜の進化に果たした役割の大きさの指摘――の2点です。
「1965年にモンゴル・ゴビ砂漠の砂の中から見つかったのは、超巨大な手だけの化石だった。それ以降、この手の持ち主デイノケイルスは、謎の恐竜とされてきた。それから50余年の時を経て、全身化石が集結し真の姿が解明された」。
「世界初! 化石全部並べた――モンゴルの首都ウランバートルにあるモンゴル恐竜中央博物館に並べられた、デイノケイルスの全身骨格。全長11m、巨大な腕、背の大きな帆、クチバシが特徴だ。小林(快次)氏ら研究者らが、大きさの比較のために寝そべっている」写真を初め、この解明の過程は圧巻です。
「恐竜大躍進の原動力は『羽毛』だった――次々と発見される羽毛を携えた恐竜化石。この『羽毛恐竜』によって、恐竜の姿や生態が近年書き換えられている。恐竜たちがこれほどまでに多様に進化できた原動力の一つが羽毛だったことが、最新研究から浮かび上がってきた」。
「羽毛は恐竜にさまざまな恩恵をもたらしたと考えらえる。例えば、現代の鳥は実に多彩な羽毛をもつが、恐竜も鳥と同じようにカラフルな羽毛で、種類を増やしていたのかもしれないのだ」。羽毛が恐竜の多様性を増大させた可能性を指摘しているのだ。
「羽毛は、恐竜の生存率さえ左右していたかもしれない。羽毛の効果の一つ保温効果が、他の爬虫類には見られない繁殖術を可能にしたのだ。それは現代の鳥に通ずる方法、抱卵だ」。羽毛が生存率を上げたというのだ。
「恐竜は羽毛の獲得によって、種類数、繁殖力、生存率など、さまざまな場面で可能性を広げた。さらに、生息域も広がっていたようだ。地球上でも過酷な環境の一つである極地にも、羽毛を武器にして恐竜たちが暮らしていたのだ」。羽毛は、さらに、生息域を拡大することにも貢献したのだ。
「大きな脳をもち知恵を働かせて生きる(北極圏の知恵者恐竜)トロオドンだが、その脳の大きさも羽毛がもたらした可能性があるという。羽毛と脳、一見結びつかなさそうなこれらは、どのように関係しているのか?」。ここまで来ると、恐竜は羽毛に足を向けて寝られなくなりますね(笑)。
「大きな脳は内温性と密接に関係しているからだ。恐竜は羽毛を獲得したことで内温性を実現した。恐竜は内温動物となった結果、寒い時も暑い時もいつでもどこでも活発に動くことが可能となった。さらにもう一つ、重要だったのはスタミナの獲得だ。内温性動物とトカゲなどの外温性動物を比べた時、一般的に瞬発力は同等だが、長時間にわたる持続的な運動、つまりスタミナが必要とされる有酸素運動の能力は格段に向上したのだ。実際、有酸素運動の能力は内温性動物のほうが外温性動物に比べ5倍高いというデータがある。恐竜はスタミナを得たことで獲物を長時間にわたって追いかけることなどが可能となり、多くの食料を得ることができた。結果、より多くのエネルギーを得ることができ、脳の大型化が可能となったのだ。一般に脳は最もエネルギーを消費する臓器の一つとされている。脳を大きくするためには大量のエネルギー、大量の食料が必要となる。その大量のエネルギーを得ることを可能にしたのが内温性で、その実現、維持に必要なものこそが羽毛だった。つまり羽毛の獲得が知性派恐竜トロオドンを生み出したといえるのだ」。
恐竜だけでなく、海棲爬虫類についても、かなりのページが割かれています。「海棲爬虫類は、恐竜時代に海の中で繁栄した爬虫類の仲間。恐竜ではない、魚竜、首長竜、モササウルスが3大グループだ」。
さらに、日本にいた恐竜――むかわ竜(大型の植物食恐竜ハドロサウルス科の一種)など――についても、きちんと触れられています。
私のような恐竜大好き人間、恐竜の最新情報に関心がある人間には、見逃せない一冊です。