「落穂拾い」の舞台、城壁、塔、石畳、中世の雰囲気、朝市――フランスの村々・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1782)】
アセビが白い花を、アケボノアセビが桃色の花をぶら下げています。因みに、本日の歩数は10,507でした。
閑話休題、『フランスの一度は訪れたい村』(坂井彰代著、伊藤智郎写真、東海教育研究所)では、著者が選り抜いた魅力的な30の村が紹介されています。
●森の外れの村で生まれた新しい絵画――バルビソン(イル・ド・フランス地方)。「端から端まで歩いても15分ほどというグランド・リュを抜けてさらに歩くと、その先に麦畑が広がっていました。広大な畑を眺めていると、ミレーの代表作『落穂拾い』が思い出されます」。大分以前のことだが、この「落穂拾い」が描かれた畑を訪れた時のことを懐かしく思い出しました。
●特等席から眺める優美な城塞都市――サント・シュザンヌ(ペイ・ド・ラ・ロワール地方)。「1枚の写真から旅に誘われることがあります。それは、パリからそれほど遠くないところで美しい風景を楽しめる場所を探していたときのこと。まるで絵本の中から飛び出したかのような村の写真に目が釘づけとなりました。とんがり屋根の家と城壁が一体となったお城のような村。タイトルにはサント・シュザンヌとあります」。
●フランス一を誇る美しい屋根の風景――ミルマンド(オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方)。「城壁や塔が一部残り、その一角にあるゴルチエ門が村の中心地への入り口となっています。門をくぐると石畳の坂道が続き、中世の騎士が歩いていてもおかしくない風格が漂います」。石畳と中世の雰囲気は、私の心を揺さぶります。
●プロヴァンスの恵みが集まる朝市へ――ルールマラン(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方)。「路上や広場で開かれるにぎやかな朝市。パリでもあちらこちらで見られますが、地方ではそこでしか手に入らない名産品もあって。見て回るだけでも楽しいものです」。外国に行って、朝市を訪れると、その土地の人間になったような気分が味わえますね。