山奥で人目に触れず生きてきた孤高の巨樹たちとの出会い・・・【情熱的読書人間のないしょ話(893)】
散策中に、薄紫色の花と橙色の実を付けたデュランタを見かけました。ウコンが白い花を咲かせています。ハナミズキが赤い実と花芽を付けています。ザクロの実が大分色づいてきました。リンゴの実がたくさん生っています。小さなカボチャの実を見つけました。トラディスカンティアの葉が目を惹きます。因みに、本日の歩数は10,508でした。
閑話休題、『森の巨人たち――巨樹と出会う 近畿とその周辺の山』(草川啓三著、ナカニシヤ出版)は、実際に深山に分け入ることのできない私のような人間にも、生命力溢れる巨樹たちに出会う喜びを味わわせてくれます。
「普段に見慣れた木をはるかに超える巨樹と出会い、樹の下に立って見上げてみると、想像以上の感動が湧き上がってくる。山での巨樹との出会いのたびに重ねてきたそんな思いが、山へと誘われる大きな魅力のひとつとなってきた。ここでは人びとに見つめられてきたような平地の巨樹ではなく、ほとんど人の目に触れることなく生きてきた孤高の巨樹を主に取り上げている。そうした巨樹たちは、歩くことも大変な険しい斜面に立っていることも多く、いっそうの厳しい表情を見せているように思えた」。
丹波の「洞峠から天狗畑へと向かう途中で出会った幹周4m以上はありそうな巨樹。樹高といい枝の広がりといい、すばらしいブナだった」。霧の中、かなり急な斜面に屹立しているブナに見とれてしまいました。
庄部谷山の甲森谷にはカツラの巨木林があります。その中の最大樹は根元から多くの枝が天に向かって直立しており、その迫力に圧倒されます。
能家の「早谷のトチノキ。マザーツリーと呼ばれている。朽木のトチノキの中では、大きさ、美しさ、風格とすべてを兼ね備えた、最もすばらしい巨樹である」。
「芦生研究林の上谷のトチノキ。太さはそんなに大きなものではないが、太いツルが巻きついたとにかく存在感のある木である」。
自然好きにとっては、何とも癒やされる一冊です。