榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ターシャ・テューダーの作品を楽しみながら、彼女の言葉が味わえる一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1805)】

【amazon 『生きていることを楽しんで』 カスタマーレビュー 2020年3月24日】 情熱的読書人間のないしょ話(1805)

ソメイヨシノ(写真1~7)、イズヨシノ(8~10)、コヒガン(11~14)、タイハクザクラ(15~17)をカメラに収めました。コヒガンでシジュウカラが吸蜜しています。ウグイスの練習中の囀りを耳にし、飛び回るツバメを見たが、残念ながら撮影はできませんでした。因みに、本日の歩数は10,401でした。

閑話休題、『生きていることを楽しんで――ターシャ・テューダーの言葉 特別編』(ターシャ・テューダー著、リチャード・W・ブラウン写真、食野雅子訳、メディアファクトリー)は、ターシャ・テューダーの作品――絵、縫い包み、人形――と、彼女の住居環境の写真を楽しみながら、ターシャの体験に裏付けられた含蓄のある言葉を味わうことができます。

●最初から恵まれすぎているより、足りないくらいのほうが、人生からより多くの喜びを引き出せる、ということもあります。成功する可能性はだれにでもあるの。ただ、必要な努力をするかしないかではないかしら。
●わたしが心がけてきたことは、騒音、ごたごた、攻撃的で付き合いにくい人を避けること。自分の経済力に見合った生活をすること。借金はしないこと。できるだけ自給自足すること。これは、節約になるだけでなく、自分で作り出す満足感も得られましたから、一挙両得でした。
●失敗や間違いを犯さない人など、いません。がっかりしておきらめてしまうという選択もあるけれど、それから学び、未来を信じて希望を持ち続け、前を向いて歩んでいくという選択もあるのよ。
●やりたくない仕事をしなければいけないこともあるし、付き合いにくい人と会わなければならないこともあるわ。そういう仕事や人は、できるなら避けたほうがいいけれど、どうしても避けられない時は、何か楽しいことを考えながらするようにしています。やることをやってしまえば、心地良い日常に戻れるのですから。
●仕事に励み、計画したことを遂行し、失望せず、人生の目標を達成する強い意志を持ち、優しく、忍耐強く、感動でき、ユーモアのセンスがあり、好奇心もある――こうした資質が全部備わっていても、人生に満足できなかったり、不幸せだと思ったりする人もいれば、こうした資質を追求していないのに素晴らしい人生を送る人もいるのだから、人生は神秘ですね。
●91歳の計画は――絵も、読書も、料理も、ガーデニングも、もっともっとしたいと思っています。現実には、思うほどはできないでしょうけど。
●今持っている力、今興味があること、今楽しんでいる人々との関わりに、目を向けてみたら? そうすれば、おろおろしないで、堂々と生きられますよ。
●あたしは必ずしも、自分の考えをしっかり持って自立している女性ではありません。自分より経験豊かな人の意見には、いつだって耳を傾ける用意があります。そして男女が協力し合うのは、自然なことだと思いますよ。
●想像は、人生に欠かせないものです。想像がなかったら、世界は、味気ないこと極まりないでしょう。人生の楽しみは半減し、文学や芸術、発明も、滞ってしまうでしょう。
●40代の終りに、日本に行ったことがあるのよ。友人の息子が、奈良で英語を教えており、その友人から、「息子に会いに行きたいのだけれど、一人では行きたくないので、一緒に行こう」と誘われたのです。日本の小さな普通の家に滞在しました。楽しかったわ。食べ物も、深いお風呂も気に入りました。奈良は良い所だと、そして日本は美しい国だと思いました。木々や庭園、神社やお寺、その他の風景を、今も思い出します。
●生きていれば、落ち込むこともあります。状況を好転できると思ったら、ぜひ努力すべきです。でも、変えられないなら、それを受け入れて歩み続けるしかありません。何があっても「生きていることを楽しもう」という気持ちを忘れないで。