西原理恵子が後輩女子に本音で人生のアドヴァイス・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1047)】
散策中に、珍しいオニシバリが見つかりました。オニシバリは雌雄異株で、これは雄花です。黄色いのが花で、黄緑色の花弁に見えるのは萼裂片です。オオイヌノフグリが小さな青い花を咲かせています。因みに、本日の歩数は10,729でした。
閑話休題、『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子著、KADOKAWA)は、最初から最後のページまで本音で綴られています。
「周りを見回しても、お手本にできる大人なんていなかった。地方に生まれて、勉強もできないわ、器量もフツーで、ろくな男がいないとなれば、逃げ場ナシ。それが、あの頃の私――」。
「私が大学を受験するはずの日に、父親が首を吊って死んだ。お葬式に呼び戻された私を待っていたのは、借金まみれの父親に、私の進学のためのお金を『出せ』と迫られて、ボッコボコに殴られた母親で、母親が死守したわが家の全財産140万円のうち、100万円が、私が東京に行って、予備校に通うための軍資金になった」。
「今、逆風の中にいて、どうしたらいいかわからずにいる女の子たちに、言っておきたい。そこから一歩踏み出すことを、どうか諦めないで。20歳までは、困れば誰か助けてくれるかもしれない。でもそこから先は、自分で道を切り開いていくしかない。若さや美貌は、あっという間に資産価値がゼロになってしまう。仕事のスキルや人としての優しさ、正しい経済観念。ゼロになる前にやっておかなければならないことはたくさんあります。自立するって、簡単なことじゃないからね。結婚したからって、そこがゴールじゃない。相手が病気になることもあれば、リストラされちゃうことだってある。どんなに立派な人だって、壊れてしまうことがある。つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しません。そうなってから『やだ。私、なんにも悪くないのに』じゃ、通らない」。
「女磨きって、エステやネイルサロンに通うことじゃないからね。お寿司も指輪も自分で買おう。その方が絶対楽しいよ」。
「これから世の中に出ていく女の子に、覚えておいてほしいことがある。立派な言葉なら世の中に溢れてるけど、私が言いたいことは、そういうことじゃない。本当に覚えておかなきゃいけないのは、たぶん、転んだ時の立ち上がり方。長い人生、人は何回も転ぶ。その時腐らず立ち上がる方法。どうか、覚えておいて」。
自分の人生を振り返りながら、具体的なアドヴァイスが満載ですが、とりわけ強く印象に残ったのは、この一節です。「やりたいことが、なかなか見つからない人は、まずは、好きな人を見つけることから始めてみたら、いいと思う。面白そうな先輩とかね。『この人みたいになりたいな』と思える人を、見つける。そこからは引き算ですよ。その人-自分=足りないもの、がわかりますよね。娘にも言ったんです。なりたい人に聞きなさい。そうすれば、きっと教えてくれるよ。なりたい人と自分を比べなさい。そうすれば、何が足りないか、わかるでしょ、ってね。それがわかったら、しめたもの。目標が決まれば、努力しなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことなんて山ほどありますから」。
「あなたの人生は、あなたが幸せになるためにある」という著者の言葉が心に響く一冊です。