世界56カ国、550人の美しく生きる女性たち――女性写真家の作品集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1290)】
『現代イギリスの社会と文化――ゆとりと思いやりの国(増補版)』、『田園のイングランド――歴史と文学をめぐる四ハ景』の書評を書いた機縁で、著者の宇野毅氏と会うことになりました。英国のパブの雰囲気が漂う東京・赤坂のTHE ROSE & CROWNで、文学や英国の話に花が咲き、アッという間に3時間が経過していました。新しい友と文学について存分に語り合う――これぞ、人生の醍醐味です。因みに、本日の歩数は10,585でした。
閑話休題、『THE ATLAS OF BEAUTY――世界の美しい女性たち』(ミハエラ・ノロック写真・文、大浜千尋訳、パイ インターナショナル)には、世界56カ国の約550人の女性のポートレートが収録されています。
「その女性たちのほとんどが、懸命に働き、奮闘していました。彼女たちは、時に女性として差別に直面することもありましたが、そのような厳しい状況下でも、星のように輝いていたのです――品位と、強さと、美しさを兼ね備えながら」。「わたしの考える美しさとは、ありのままの自分でいること。自然であり、偽りがないこと。そして、自分の内面をさらけ出すこと」。
とりわけ強く印象に残ったのは、このような女性たちです。
●ネパール・カトマンズのヒンドゥー教の祭典で出会った女性の純真さ(本書の表紙を飾っている)。
●中華人民共和国・四川省で出会った女性の、ほとんど化粧っ気のない素朴さ。「出会った中でも最高に上品な女性のひとりだったのが、こちらのチベット人女性。彼女は農村に住む二児の母親」。
●アイスランド・レイキャビクで出会った、女児を出産したばかりの女性の親しみを込めた笑顔。
●エチオピア・オモ川流域で出会ったエルボレ族の女性の健康的な黒い肌と目の輝き。裸の彼女は、日除け用のベールを被っています。本書の中で、私にとってのNo.1はこの女性です。
●ルーマニア・トランシルヴァニアで出会った女性の気品。
●ギリシャ・デルフィで出会った、レストランで働いている女性の凛とした美しさ。
●イラン・テヘランで出会った女性の聡明そうな眼差し。
●トルコ・イズミルで出会った、女優志望の女性の正統的な美しさ。
女性の美しさはさまざまであることを教えてくれる得難い写真集です。