榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

風刺画やジョークで、ヒトラーはどうからかわれているか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1959)】

【読書クラブ 本好きですか? 2020年8月25日号】 情熱的読書人間のないしょ話(1959)

ハグロトンボの雄(写真1~4)、雌(写真5~8)、シオカラトンボの雄(写真9)、雌(ムギワラトンボとも呼ばれる。写真10)、ハネナガイナゴ(写真11、12)をカメラに収めました。旋回飛行しているギンヤンマを捕まえようと懸命な幼い兄妹と、ちょっぴり情報交換しました。クサガメを見つけたが、撮影に失敗。オクラが花と実を付けています。イチジクの実が香りを放っています。因みに、本日の歩数は11,057でした。

閑話休題、『風刺画とジョークが描いたヒトラーの帝国』(若林悠著、芝健介監修、現代書館)は、ヒトラーに対する風刺画とジョークがてんこ盛りです。

「ヒトラーは演説はうまいが算数は苦手だった。『千年帝国』と言っていたが数えてみたら12年だ。988年も間違っている」。

1936年の米国の作者不詳の「私はこの3年間に、ドイツの名誉と自由を取り戻してきた!」という諷刺画。「ナチス・ドイツ成立から3年後の作品。ヒトラーが政権幹部を従えて演説しています。その下で多くの人々が口を塞がれ捕らえられています。捕らえられたものは左から『宗教の自由』『学問の自由』『労働組合と共済組合と反対党の自由』『女性の自立の自由』『報道の自由』『司法の独立の保全』。先頭のヒトラーから時計回りに、ブロンベルク、シャハト、ヒムラー、フリック、シュトライヒャー、ゲッベルス、ゲーリング」。

「クリスマスの七面鳥はナチ的でなければならない。ヒトラーのように褐色で、ゲーリングのように丸々していて、ドイツ国民のように綺麗にむしられていなければならない」。

「ドイツの闇市で、ある店が『性格』を売り始めた。好みの『性格』を買って装着すると、なりたい自分になれるので便利である。『ヒトラー・モデル』を買うと、強い自己主張ができる。押しの弱い人に人気である。『ゲッベルス・モデル』を買うと、さまざまな言い訳ができる。ミスの多い人に人気がある。『ヘス・モデル』を買うと、普段はおとなしいが突然、統御不能となる。恐ろしいので誰も買わない」。

「強制収容所の警備はすごい。親衛隊が大勢張りついてアリ一匹入れない。しかし、人間(=ユダヤ人)だけは何もしなくてもいつでもは入れる」。

「妄想狂でも国を支配することができる(ヒトラー)。見栄一筋でも国を支配することができる(ゲーリング)。嘘八百でも国を支配することができる(ゲッベルス)。存在感なしでも国を支配することができる(ヒムラー)。事務しかしなくても妄想狂を支配することができる(ボルマン)」。

「Q:『侵略』とは何か? A:愛国者がその愛のままに行う勇ましい行為。一般的に外国では嫌われ、国内では歓迎され、ドイツでは毎度、熱烈歓迎される」。

風刺画とジョークは、往時の社会の雰囲気を巧みに、かつ臨場感豊かに伝えてくれます。