社会のどん底に落ちた人々の生々しいリポート・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1973)】
コムラサキが紫色の実を付けています。
閑話休題、『ボトム・オブ・ジャパン――日本のどん底』(鈴木傾城著、集広舎)には、驚くべきことが書かれています。
社会のどん底に落ちた人々――ネットカフェで暮らすデリヘル嬢、漫画喫茶で子供を産み捨てる女、家賃を滞納し路頭に迷う男女、生活苦から風俗嬢として働くシングルマザー、シェアハウスという名のタコ部屋で暮らす男女、親が死んでも何もできない引きこもりの女――などなどの実態、背景が生々しくリポートされています。そして、これらの人々を食い物にする貧困ビジネスにも筆が及んでいます。新型コロナウイルス禍がこれらの惨状に拍車をかけているというのが、著者の見解です。
巻末には、不安の時代にどう備えたらいいのか、いかに極貧に陥らないように生活防衛したらいいのか――そのための30項目が挙げられています。
●貯金をすること
●無駄なものを買わないこと
●ローンや借金をしないこと
●稼げない仕事は続けないこと
●稼げる仕事は辞めないこと
●専業主婦にならず、共働きすること
●贅沢しないこと
●仕事を楽しむこと
●休息を取ること
●肉体的・精神的な病気にならないこと
●怪我をしないこと
●見栄を張らないこと
●役に立つ勉強をすること
●引きこもり、ニートにならないこと
●タバコ・アルコール・ドラッグに溺れないこと
●ギャンブルに溺れないこと
●ゲーム・テレビ・ネットの娯楽に溺れないこと
●セックスに溺れないこと
●友人を選ぶこと
●相談相手を持つこと
●自分の味方を作ること
●金のかかる趣味に没頭しないこと
●自暴自棄にならないこと
●ごく普通の生活をすること
●貧困から抜け出すために何ができるか考えること
●社会のせいにしないこと
●他人のせいにしないこと
●投資能力を磨くこと
●才能を磨くこと
●シンプルに生きること