目から鱗が落ちたり、大きく頷いたり――読み応えのある読書論・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2434)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年12月16日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2434)
冬だというのに、ヒマワリ(写真1、2)が咲いています。ヒット曲ではないが、私の好きな歌、テレサ・テンの「冬のひまわり」を口ずさんでしまいました。エノキ(写真3)には、私・榎戸(エノキド)は、どうしても親しみを感じてしまいます。
閑話休題、『本は読めないものだから心配するな』(管啓次郎著、左右社)は、独特な雰囲気が印象的な読書論です。見開き2ページに1つずつ、最上段に、そのページのエッセンスが記されているのも、他書では見られないユニークな方法です。
エッセンスとは、このようなものです。
●読書はもっぱらチャンス・ミーティング(偶然の出会い)であって
●異質なもの、異邦のもの、違法なものに対するこの好奇心と魅惑と関心
●やがて思いもよらなかった呼応関係が突然浮かび上がってくるところに、小説の最大の教えがある
●葉叢のざわめきからぼくらは鳥のように飛び立ち、別の森を発見しつづける
●絶望しか語らない作品が、希望に似た光を生む
●細部にこそ、異質な人たちの心の、文章による以外接近しようのない心の領域が、はっきりと表れる
●すべての文章は、読まれたくてたまらない
●アポリネールくん、エリュアールくん、こんにちは、しばらくだったね
目から鱗が落ちたり、大きく頷いたり――読み応えのある一冊です。