榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ジャーナリズムの役割は空気を壊すことだと主張する対談集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2499)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年2月19日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2499)

コサギ(写真1~3)、アオサギ(写真4)をカメラに収めました。

閑話休題、『ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと』(森達也・望月衣塑子著、集英社新書)は、映画監督・作家の森達也と、東京新聞社会部記者の望月衣塑子とのジャーナリズムを巡る対談集です。

本書では、危機を煽り、利用してきた安倍晋三・菅義偉政権が厳しく糾弾されています。

「なぜこれほどに政治がお粗末なのか。記者会見で記者たちが追及しないからだ。でも記者たちだけを責めても仕方がない。記者会そのものの問題だ。・・・政治権力を監視して批判することが最大の使命であるはずのジャーナリズムが機能していないからだ。もちろん、歯を食いしばりながらがんばっている記者やディレクターを僕はたくさん知っている」。

「この国の閉塞状況を突破するためには、ジャーナリズムの奮起が何よりも必要だ。ジャーナリズムが変われば社会が変わる。もちろん政治状況も変わる。言い換えれば、この先もジャーナリズムが停滞するならば、この国の社会も統治も変わらない。いま僕たちはターニングポイントにいる」。

「『(他の人との)無意識のずれを気にしない』姿勢こそ、ジャーナリズムに携わる人には必要不可欠の要素だ」。

自らの主張を体現している二人の言葉だけに説得力があります。