上野ゼミで学び、運よく情報生産者になれた者たちからのメッセージ集・・・【山椒読書論(698)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月29日号】
山椒読書論(698)
『情報生産者になってみた――上野千鶴子に極意を学ぶ』(上野ゼミ卒業生チーム著、ちくま新書)は、上野千鶴子のゼミで学び、運よく情報生産者になれた者たちのメッセージ集である。
●論文を書く力は、0から1を生む力
●「個人の問いを社会の問いにつなげる知」の実践
●ストーリーで届ける、人の言葉で語る
●情報生産者を育てる「教え方」――「楽屋裏」を見せること、学ぶこと=真似ること
●表面的な技術や方法論を超えた「何か」を求めて
個人的には、<書くという行為は、いつでも、思想にかたちを与え、それにケリをつけるためにある。人はいわばサヨナラを言うために、それについて書くのである>という上野の言葉に共感を覚えた。私が書評を書き続けているのは、その本に書かれているテーマを考えることに一応のケリをつけ、その本にサヨナラを言うためだからだ。