箱整理褪せし亡夫の文(ふみ)に泣く――女性、93歳・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2617)】
ぷーんと匂ってきた甘酸っぱい香りの正体は樹液(写真1)でした。吸蜜するヒカゲチョウ(写真2、3)を撮影していたら、ぶーんという大きな羽音とともに、2匹のオオスズメバチ(写真3~6)が出現しました。撮影を終えた私を、駐車場の私の車のドアに止まったヒカゲチョウ(写真7)が迎えてくれました。ラヴェンダー‘ロイヤル・パープル’(写真8~11)を写していたら、ガのオオスカシバ(写真11)がやって来ました。因みに、本質の歩数は11,196でした。
閑話休題、『シルバー川柳 丘を越えて編――笑いあり、しみじみあり』(みやざきシルバーネット・河出書房新社編集部編、河出書房新社)に収められている川柳に共感してしまうのは、私の年齢のせいでしょうか。
●食いしばる歯などないのよ楽に行こ(男性、84歳)
●見た目より中はボロボロ俺と家(男性、78歳)
●覚えたが使う相手の無いライン(男性、71歳)
●夫逝き最短料理で生きる今日(女性、77歳)
●ボケ検査それだけ話せば大丈夫(女性、78歳)
●あんたもか古希・喜寿・傘寿大差ない(男性、69歳)
●老人と名のつく会にゃわしゃ行かぬ(男性、72歳)
●皺だらけ皺がないのは腹まわり(女性、82歳)
●補聴器を耳せんしたかという夫(女性、71歳)
●妻は神僕は仏になっていく(男性、69歳)
●鏡みてあなた誰なのあなたです(女性、93歳)
●逝ってから今はゆるせる事ばかり(女性、91歳)
●九十路急がにゃならんお片付け(男性、90歳)
●薄い毛の肌にしみいる蝉の声(男性、85歳)
●一本の白髪抜くのに黒二本(男性、70歳)
●大根をふっくら自分色に煮る(女性、92歳)
●黄昏が私を包む妻包む(男性、83歳)
●人心しみじみ沁みる夫(つま)逝きて(女性、87歳)
●ロングランあなたと私家庭劇(女性、62歳)
●急な雨ずぶぬれながらいい女(女性、96歳)
●返信遅れ殺されかけた生きてます(女性、73歳)
●運がよく個室貰えて人恋し(男性、93歳)
●クラス会古希でもみんなちゃんで呼ぶ(男性、72歳)
●ウォーキング抜かれ抜かれつ朝ぼらけ(女性、90歳)
●箱整理褪せし亡夫の文(ふみ)に泣く(女性、93歳)
●100すぎて長生きしたいと母が云う(女性、72歳)