ナチスが秘密基地で開発に成功した小型原子爆弾を破壊し、父、ワタル、ケートは脱出する・・・【山椒読書論(769)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月14日号】
山椒読書論(769)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(9)』――密林の奥のドイツ軍の秘密基地に忍び込んだワタルは、遂に父と念願の再会を果たす。ナチスがこの秘密基地で開発に成功した小型原子爆弾を破壊し、父、ワタル、ケートは脱出する。一方、ドイツ軍に捕らえられていたゼガは奴隷とされていた原住民たちと反乱を起こし、逃亡する。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。