別れた年下の青年に新たな恋人ができた時から妄執に囚われていく「私」の日々・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2854)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年2月8日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2854)
アカハラ(写真1)、シロハラ(写真2)、ツグミ(写真3)、ムクドリ(写真4)をカメラに収めました。ウメ(写真5、6)が見頃を迎えています。カワヅザクラ(写真7~9)が咲き始めました。モミジバフウ(写真10、11)の実が落ちています。因みに、本日の歩数は13,740でした。
閑話休題、『嫉妬・事件』(アニー・エルノー著、堀茂樹・菊地よしみ訳、ハヤカワepi文庫)に収められている『嫉妬』は、6年間付き合って別れた年下の青年に新たな恋人ができた時から妄執に囚われていく「私」の日々が克明に綴られています。
30代の彼が一緒に暮らす相手として選んだ女性が、離婚歴のある47歳のパリ第三大学の助教授ということしか分からないため、「私」の妄想は止めどなく広がっていきます。
著者自身の体験に基づいているため、息が詰まりそうな緊迫感に満ちています。嫉妬をこれほど生々しく描いた作品に私は出会ったことがありません。