33歳になった伊藤詩織のエッセイ集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2945)】
イトラン(ユッカ。写真1)、シルバーレース(写真2、3)、ハクチョウゲ(写真4、5)、アルストロメリア(写真6)、ホホベニエニシダ(写真7)、イソトマ・アクシラリス‘ブルー・スター’(写真8)、スイートピー(写真9、10)、ワトソニア・ボルボニカ(写真11)、シラン(写真12、13)、パンジー(写真14)が咲いています。
閑話休題、『裸で泳ぐ』(伊藤詩織著、岩波書店)は、25歳の時、卑劣な男から性被害を受け、自らも実名で告発した勇気ある女性・伊藤詩織が、33歳になった時点で発表したエッセイ集です。
「人生を振り返る、というか何かに思い悩んでいるとき、私はよく『死ぬまでにやりたいこと』リストをつくる」。
「大学時代に同棲していたパートナーはドイツ人だったので、私はドイツ訛りの英語を話していた。イギリス人のパートナーができたときは、ずっとアメリカ英語だった私がクイーンズイングリッシュを鼻にかかった声で話せるようになった。だから友人たちは私のイントネーションや話し方で、仕事の現場、それからパートナーの変化を事前に察知するという。とにかく無意識に言葉や語尾が変わっていく。話す相手、環境に影響されやすいらしい」。
「美味しいものに宿るパワーは計り知れない。どんなに苦しくても、一緒に食を共にしてくれる友人たちがいることに感謝する。どんなに慌ただしくなっても、美味しいものを分かち合う時間を、これからの人生で持ち続けていきたい」。
「私の目の前にいる、愛する人もその(私の告発に対する誹謗中傷の)言葉にさらされ、私に疑問を持ち、直接質問するという行動に出るまで、ネット上の言葉を信じたのだ。意味のわからない敗北感に襲われる。・・・彼は私が初めて付き合った、日本生まれ日本育ちの日本男児だった」。
「(死ぬまでにやりたいこと)リストに登場させるほど、達成困難ではなさそうで、しかも、なぜそれがしたいかわからないから、たぶんきちんと書き留めたことはないけれど、ずっとずっとやってみたかったことがあった。それは裸で夜の海を泳ぐこと。・・・数カ月前に、ついに実現した」。
変えてはいけないことは変えない、変えるべきことは変える――という、強固な意志と柔軟な思考を兼ね備えている伊藤詩織という素敵な女性を、ますます好きになりました。