ポー族が跋扈する山に一人取り残されたケートに、次から次へと危険が迫る・・・【山椒読書論(802)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年8月30日号】
山椒読書論(802)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(13)』――ワタルとゼガは、離れ離れになってしまった父とケートを探し回る。一方、ポー族が跋扈する山に一人取り残されたケートにはヒョウ、ポー族、ゴンザ族と、次から次へと危険が迫る。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。