榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ワタルは、白人の金髪美少女ケートに巡り合う・・・【山椒読書論(762)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年12月10日号】 山椒読書論(762)

昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。

少年ケニヤ(2)』では、主人公の村上ワタル少年は、マサイ族の大酋長ゼガから槍や弓の使い方を鍛えられ、勇気のある逞しい少年に成長する。

ワタルは、ポラ族から白い神と崇められている白人の金髪美少女ケートに巡り合う。ポラ族のまじない師グレが白人家庭からさらってきたケートを白い神に仕立て、自分に都合のいい神のお告げを言わせているのだ。

ワタルとゼガは、執拗に襲ってくるポラ族と戦う。巨象ナンター、大蛇ダーナはワタルたちの力強い味方である。

ワタルは、グレから暴力を振るわれているケートを連れ出す。

一方、ワタルの父・村上大助も、離れ離れになったワタルを必死に捜すが、なかなかうまくいかない。

ワタルの冒険は、つ・づ・く。