ワタルは、父を捜す旅の途中で、ゼガ、ケートと共に、さまざまな困難を乗り越えていく・・・【山椒読書論(765)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年12月23日号】
山椒読書論(765)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(5)』では、ワタルが別れ離れになった父を捜す旅の途中で、ゼガ、ケートと共に、さまざまな困難を乗り越えていく。巨大な白いクモとの闘い、ベルモ族の邪悪な祈祷師・ヒカとの闘い、大ワニとの闘い、コブラとの闘い、大きなヒョウとの闘い、大ライオンとの闘い――と、ハラハラドキドキの連続だ。