ケートは、洞穴に住む奇妙な風体のトカゲ族に連れ去られてしまう・・・【山椒読書論(804)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年9月1日号】
山椒読書論(804)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(15)』――ゴンザ族に囚われていたケートはワタルとゼガに救い出されるが、それも束の間、洞穴に住む奇妙な風体のトカゲ族に連れ去られてしまう。トカゲ族の本拠に侵入したゼガは大網で捕らえられ、ワタルも敵に追い詰められる。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。