メディチ家の勃興から没落まで、300年の歴史が生き生きと描かれた一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3145)】
【月に3冊以上は本を読む読書隙が集う会 2023年11月26日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3145)
冷たい小雨が降っていても、我が家の庭の餌台「カラの斜塔」には、シジュウカラとスズメたちが入れ替わり立ち替わりやって来ます。工事現場の前に立つロボットから、安全確認をお願いします、と話しかけられました。
閑話休題、『メディチ家――その勃興と没落』(クリストファー・ヒッバート著、遠藤利国訳、リブロポート)では、「祖国の父」と呼ばれたコジモ・ディ・ジョヴァンニ・デ・メディチによるメディチ家の勃興期から、ロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチによる最盛期を経て、最後のメディチ家の相続者アンナ・マリア時代の没落に至るまで、メディチ家の300年の歴史が生き生きと描かれています。
陰謀と野望、打算と不信、奸計と虚飾、流血と狂信、富と活力、敬虔と理想などが渾然一体となったメディチ家の波瀾万丈の世界に引きずり込まれ、470ページを一気に読み終えてしまいました。