南北戦争以前の米国の奴隷制の実態・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3162)】
ジョウビタキの雌(写真1)、コガモ(写真2)、ヨシガモの雄(写真3)、ダイサギ(写真4)、アオサギ(写真5、6)をカメラに収めました。ラクウショウ(写真7)の気根(呼吸根。写真8)は木製の地蔵のようです。我が家の庭の餌台「空中楽園」にはメジロ(写真9~11)が、「カラの斜塔」にはシジュウカラ(写真12)やスズメたちがやって来ます。因みに、本日の歩数は11,059でした。
閑話休題、『奴隷制の歴史』(ブレンダ・E・スティーヴンソン著、所康弘訳、ちくま学芸文庫)で注目すべきは、「南北戦争以前のアメリカ合衆国における奴隷制と反奴隷制」の章です。
非人道的な奴隷制の実態が詳細に記されています。著者が丹念に調査し、拾い集め、語らせた元奴隷の人々の証言が説得力を強めている点、奴隷にされた人々の抵抗事例が具体的に示されている点――で、類書とは一線を画しています。
「(元奴隷女性は)ある女主人が奴隷女性に酷い仕打ちをしたことを回顧している。『女主人は、男たちに彼女を縛らせて、九本の縄のついた鞭で打ちつけた。彼女が血を流した後も、その傷口に塩とコショウを塗りつけて、再び鞭打った。ああ、その女主人は本当に意地悪だった!』」。
「奴隷女性と奴隷男性の労働経験のもう一つの重要な違いは、そして、おそらく最も大きな違いは、女性の労働が性的要素を持っていたことである。奴隷の少女や女性は、男性の所有者、監督者、運転手、そして奴隷男性の性的なはけ口として、働くことを要求された。奴隷労働者という『新しい作物』を生み出すために奴隷女性の肉体を利用することは、性奴隷化という現象のほんの一部に過ぎなかった。奴隷女性の受けた性的虐待は、奴隷の少女、女性、そしてその家族が経験する最も破壊的なトラウマの一つだった」。
「(元奴隷の)彼女は、奴隷女性の問題についてインタビューを求められた時に、『白人はいつでも好きな時に黒人の女の子を抱いた』と答えている。ある元奴隷は、『主人や監督者は、(奴隷女性の)夫のそばで寝る奴隷女性を起こして、自分の言うとおりにさせた』と語っている」。
「当時の風潮では、奴隷の少女や女性が性的快楽を与えることはプランテーションの主人に報いることであると考えられていた。そのため、それらの男性は、女性の義務、あるいは奴隷労働の一部として性的行為を要求した。これは奴隷を所有する世代から次の世代へと受け継がれた伝統だった。これはある元奴隷の告白である。『二人は彼女を捕まえた。父親は息子にそれがどういうことかを教えた。彼女は何もできなかった』」。
「(元奴隷女性は)自分の両親の結婚について、こう語っている。『当時、白人の人々は馬や牛などの家畜と同じように、奴隷男女のカップルを扱っていた』。女性は妊娠し続けることを強いられ、また、『カップリング』から生まれた子供を育てなければならないため、その影響はより大きかった。同様に、所有者が望むだけの数の子供を産まなければ、ほかの男性との性交渉を繰り返し強要されたり、激しく鞭打ちされたり、売られたりする危険性があった」。