著者の八ヶ岳の山小屋には、さまざまな野鳥がやって来る――羨ましい!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3240)】
【読書の森 2024年2月29日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3240)
アオジの雌(写真1~4)、ツグミ(写真5)、ヒヨドリ(写真6)をカメラに収めました。ジンチョウゲ(写真7)が咲いています。我が家の餌台「空中楽園」には、毎日、メジロ(写真10~13)がやって来ます。我が家の小さな雛人形(写真14、15)たち。
閑話休題、エッセイ集『歌わないキビタキ――山庭の自然誌』(梨木香歩著、毎日新聞出版)を読んで、つくづく羨ましくなりました。なぜなら、著者の八ヶ岳の山小屋には、ヒガラ、コガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キビタキ、ビンズイ、ミソサザイ、アカゲラ、ホトトギス、カッコウといった野鳥やヒメネズミなどがやって来るからです。野鳥大好き人間の私は、思わず涎を垂らしてしまいました。
「木々の葉叢の間に見え隠れして、黒衣の小鳥がいる。隠れているつもりだろうけれど、そこだけ空気の密度が違うような存在感があるのですぐに気づく。あれ、もしかして、と思ったがすぐに飛んで行った。それからしばらくして今度は他の小鳥に紛れながら、食事箱のほうへ向かって飛んできた(が、寸前で引き返した)。そのとき黒地に浮かぶ黄色で確信した。キビタキだ。まだ南へ渡らずにいるのだ。歌わないキビタキは別人(鳥)のようだ。繁殖期の頃の朗らかな彼ではなく、何か重い鬱屈を胸に抱えているような。近々、苦しく長い、命がけの旅にでなければならないという予感に囚われているのかもしれない。それは、誰にもわからないことだけれど」。