治癒の見込みがない夫が自宅療養を望んで戻ってきた家で、献身的な妻に起こったこと・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3260)】
【読書クラブ 本好きですか? 2024年3月19日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3260)
ギンヨウアカシア(ミモザ。写真1、2)、ハクモクレン(写真3~5)、モクレン(シモクレン。写真6~10)、アブラナ(ナノハナ。写真11~13)が咲いています。スギナの胞子茎であるツクシ(写真14)が生えています。
閑話休題、都立富士高時代の同級生・松倉(旧姓・藤井)公子さんから、「清張作品の『二階』を朗読したことがあります。怖いですよ」と教えられ、『二階』が収められている短篇集『危険な斜面』(松本清張著、文春文庫)を手にしました。
背筋が寒くなるほど、怖い作品でした!
治癒の見込みがない夫から、2年近くを過ごした療養所生活にはもう耐えられないから家の二階で療養したいと懇願され、夫の留守中、家業の印刷屋を必死に切り盛りしてきた妻は承諾せざるを得ませんでした。献身的な妻が雇った、妻と同年輩のヴェテランの派出看護婦は、年齢を隠せない風貌だったが、勤勉で遠慮深い女でした。
それから1カ月も経たぬうちに、妻に何が起こったのか――あまりの恐ろしさに私の口からは、これ以上はお話しできません。