榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

百人一首の愛・恋の和歌に、時実新子の刺激的な川柳を組み合わせると・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3364)】

【僕らは本好き読書隊 2024年6月26日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3364)

巣立ちしたばかりのサシバの幼鳥(写真1)が巣を出入りしています。その1時間後、サシバの親鳥(写真2)が、巣立ちした幼鳥のために獲物(モグラ?)を捕らえて巣に運び入れています。専門家によれば、雛が巣立った直後に、よく見られる行動とのこと。ウシガエルの幼体(写真3~5)、アズマヒキガエル(写真6、7)、その幼体(写真8)、ヌマガエル(写真9、10)、ニホンアカガエル(写真11、12)をカメラに収めました。ムクゲ(写真13、14)、ハス(写真15、16)が咲いています。マンネンタケ(別名:レイシ。写真17、18)が生えています。

閑話休題、『愛のうた恋のうた――新子がよむ百人一首』(時実新子著、廣済堂出版)では、時実新子が愛好する百人一首の愛・恋の和歌と、それに添えられた時実自身の刺激的な川柳の組み合わせが独特な官能世界を現出させています。

●藤原敏行朝臣の<住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ>には、<手が好きでやがてすべてが好きになる>

●曾禰好忠の<由良のとを渡る舟人かぢを絶え 行方も知らぬ恋の道かな>には、<血の中に今百匹のきりぎりす>

●源重之の<風をいたみ岩うつ波のおのれのみ 砕けて物を思ふころかな>には、<罪あればあかつきの汗満身に>

●藤原義孝の<君がため惜しからざりし命さへ ながくもがなと思ひけるかな>には、<酒呑童子の汗噴く胸がふるさとよ>

●藤原実方朝臣の<かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを>には、<身の奥の牙砥ぐべきや秘すべきや>

●右大将道綱母の<嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る>には、<斬っても斬っても女のくらがり>

●和泉式部の<あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢うこともがな>には、<やさしさに髄から哭いて遊女たり>

●清少納言の<夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ>には、<青春へ杏(あんず)一個を置き忘れ>

●左京大夫道雅の<今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな>には、<じんとくる手紙をくれたろくでなし>

●源俊頼朝臣の<憂かりける人をはつせの山おろしよ はげしかれとは折らぬものを>には、<この闇に一個の肉の安んずるなし>

●俊恵法師の<夜もすがらもの思ふころは明けやらで 閨(ねや)のひまさへつれなかりけり>には、<百匹の螢を握りつぶすかな>