小池昌代の端正な現代語訳のおかげで百人一首が身近に感じられる一冊・・・情熱的読書人間のないしょ話(3239)】
【僕らは本好き読書隊 2024年2月28日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3239)
ヒバリ(写真1~5)、シジュウカラ(写真6)、ジョウビタキの雌(写真7)、ツグミ(写真8、9)、カイツブリ(写真10)、オカヨシガモの雄(写真11)をカメラに収めました。我が家の庭師(女房)から、ユキヤナギ(写真13)が咲き始めたわよ、との報告あり。因みに、本日の歩数は11,745でした。
閑話休題、『百人一首』(小池昌代訳、河出文庫・古典新訳コレクション)は、小池昌代の端正な現代語訳のおかげで百人一首が身近に感じられる一冊です。
例えば、小野小町の<花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間(ま)に>は、このように訳されています。「花の色は うつろいゆくもの そのすばやさ そのむなしさ 夜に降る長雨に いつのまにか色はあせ わたしも世を経て 歳を重ねた 物思いばかりを重ねているうちに」。
僧正遍昭の<天(あま)つ風雲の通ひ路(ぢ)吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ>は、「天空の風よ 吹き渡れ 天と地との通い路を 吹き閉じてくれ 舞姫たちが あまりにも美しいのでね 天上へと帰ってしまう前に どうにかして この地上に とどめておきたいんだ」。
藤原義孝の<君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな>は、「あなたと 一夜をともにすることができるのなら 命など 少しも惜しくないと思っていた なのにこうして 思いを遂げ 心もからだも ゆるしあったあとは なんということか 命が 惜しい ともに生きるために」という具合です。